昭和8年、牡丹の彫り物をもつ夜鷹の女が、のちに日本のヤクザ社会を震撼させることになるひとりの男児を産み落とした。 浅草の侠客・浜嶋辰三のもとで育てられた神崎武美は、辰三の命を守るため幼くして恩人を手にかけ、やがて稀代の暗殺者へと成長してゆく。対立組織に追われ、ロスに潜入した神崎は、日本人街の母娘に導かれてキリスト教に接するのだが......。 ひとりのヤクザの生涯を描き、圧倒的な迫力と深い余韻を残す渾身の大河長篇。
伊集院静氏の久しぶりの小説は7つの短編からなる連作小説。主人公の神崎武美の存在は神ががっているので、他の作家が書けば「そりゃないだろう」と思うところだがこの作品は違うんだな。まあ、伊集院さんの作品はほとんど読んでいるので贔屓目に見てしまうところはあるけどね。それでも、僕は面白いと思うナ。
小説の静かな凄みと深い味わい。珠玉短編集。大学の野球部で同期だった男の死。その奇妙な最期を聞いたとき、封印しておいたはずの少年の日に目撃した一人の女の死の記憶が甦る…。人間の孤独と死を抑えた文体で描く表題作等10編を収録。
伊集院静氏は好きな作家のひとりなので新刊がでると必ず手にとってみるが、今回の短編集は読めば読むほど出口が見えなかった。まるで曇天の空の下を何かを捜して彷徨うような感じだった。今の僕には理解出来ないのかもね。10年後にもう一度手にとってみたいと思う。そう言えば、吉行淳之介氏や色川武大氏のいくつかの作品で同じ感覚を受けたなぁ。
先日読んだ『駅までの道をおしえて』の続きという感じの本。やはり野球(キャッチボール)がどこかで出てくる。初めてグローブを買ってもらった日の事を思い出した。父に教わり、弟とは暗くてボールが見えなくなるまでキャッチボールをした。お互いにいうことは「ちゃんと投げろよな~」。相手を気遣うことを最初に覚えたのがキャッチボールかも。
あまく、切なく、ほろ苦い8つの話。伊集院静氏らしいシチュエーションにはちょっと懐かしさを感じた。全編において野球(主にキャッチボール)のシーンが出てくるのはそういう短編を集めたのかもね。最後の「チョーさんのカーネーション」ではそうだろうな~と分かっていながらホロッと来てしまった。