『流転の海』は宮本輝の自伝的小説で父をモデルに書かれた大河小説である。この作品はシリーズ化して現在は第5部の『花の回廊』まで出版されている。僕は第三部の『血脈の火』が出版されたときに最初から読み、第四部の『天の夜曲』が出版されたときにも最初から読んだ。今回が3度目になるが何度読んでもこの小説は面白い。
松坂熊吾という人物は戦後の混乱なの中で強く、激しく、そして優しく生きた。年の離れた妻・房江との間に長男・信仁が誕生したのは熊吾が50歳になったとき。事業を興しては投げだし、仲間には裏切られと波瀾万丈の人生を送っているが、どこか底抜けに明るい主人公。時代背景は戦後の動乱だが、今の時代に忘れ去られたことを思い出させてくれる。この本は、1行1行を大事に読んでみたくなる小説ですね。
今、この本を読んでいるのですが主人公がある女性の消息を知るために北海道に行き、その女性が居たという牧場(競走馬)で経営者に話を聞きに言ったが何も教えてもらえずに帰ってきた。その女性に御礼の手紙を書いたところ返事が返ってきて、そこに<2月生まれに大成馬なし>と書いてあった。やがてこの牧場の馬(スーパートリック)が大きなレースをいくつも勝ちなどと書いてあったのでちょっと気になって重賞を勝った馬の生まれた月を調べてみた。と言うのも宮本輝氏は1987年に「優駿」という作品で吉川英治文学賞を受賞、緒方直人主演で映画にもなった。「優駿」は僕も読んだのですが、これが競走馬の事がよく書かれていました。もしかしたら、この時に取材をして知ったのが「2月生まれに大成馬なし」と言うことではないかと。
そこで、調べてみると確かに2月生の重賞勝ち馬は3、4、5月に比べて少なかった。まあ、1頭もいないと言うわけではなく昨年、秋華賞を勝ったエアメサイア、DWCに出走したカネヒキリなどは2月生まれだった。ちなみに今週の桜花賞でおそらく1人気になるであろうアドマイヤキッスは2月生まれでした。「先入観は罪、固定観念は悪」ですよね。でも、「知らないよりは知っていた方がいい」と言うことで。